ブドウ球菌属(Staphylococcus 属)の細菌は、全長1 µm程度のグラム陽性・通性嫌気性球菌で、運動性はありません。また、過酸化水素を水と酸素とに分解する反応を触媒する酵素カタラーゼをもっておりブドウ糖を嫌気的に分解することができ、同じグラム陽性菌であるカタラーゼをもたないレンサ球菌(Streptococcus 属:グラム陽性菌)との識別に用いられます。ブドウ球菌属は、ヒトや動物の皮膚や鼻腔をはじめ体内外に分布している常在細菌で、少なくとも40菌種が分類されています。ヒトの皮膚の健康に関わる表皮ブドウ球菌と黄色ブドウ球菌が有名で、多くの種は犬や猫、家畜から検出されます。
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